ライトジーンの遺産
SFというとどうしても海外の方が有名なのですが、日本も負けてはいません。
「戦闘妖精 雪風」シリーズで知られる神林長平の中でも、入門編にぴったりの本が「ライトジーンの遺産」です。
この話は、かつてあった巨大な人造臓器メーカー「ライトジーン」がいまだに影響を残す社会の中で、そのライトジーン社につくられた人造人間である主人公が、超能力「サイファ」を使って人工臓器にまつわる事件を解決していく連作です。/p>
この作品で特筆するべきなのは、やはりその独特の世界観でしょう。
最強の超能力を持つ人造人間でありながら、酒と本を愛してその日暮らしをする自由人の中年主人公コウが、ハードボイルドな魅力をもっています。
彼の兄であるMJが若い女性というのもまた面白いです。
こうやって書くと意味不明に見えますが、この作品独自の超能力であるサイファで性転換と若返りを行った「兄」なんです。
そんな突飛な設定なのにMJの存在は、ハードボイルドSFの世界観を損なうことなく溶け込んでいます。
硬派なSF好きにも、SF初心者にもオススメできる1冊です。