ライ麦畑でつかまえて
「ライ麦畑でつかまえて」は思春期に読むのと、大人になってから読むのとでは、全く違った感想になりそうな小説です。
世の中を斜に構えて見ていて、成績は悪く、3回目の退学処分という落ちこぼれの少年ホールデンが主人公。
このホールデン、いわゆる「中二病」で、大人は欺瞞の塊と考えていて、反社会的な行動をとる思春期こじらせボーイです。
人によっては「ウザいなぁ」という感想を抱くでしょう。
だけどそんな彼にも愛するものはあって、かわいい妹のフィービーには心を開いています。
妹に問い詰められた時彼は将来の夢について「ライ麦畑で遊ぶ子供達が、崖っぷちから落ちないように捕まえる人になりたい」と答えるのですね。
それは逆に言えば、ホールデンが崖から落ちそうな自分を救って欲しかった、という心情のようにも思えます。
そう考えると、なかなか考えさせられる邦題です。
この物語は、数年後のホールデンが誰かに昔を語って聞かせる形で進みます。
あれだけ嫌っていた人々を彼が「懐かしい」と語るラストが、彼の成長と自立を示唆しているのです。